吉田ゼミナール基本法13条

  • 第1条 一方、具体的な事柄を抽象的な言葉で表現し、他方、抽象的な言葉を具体的な事柄で肉づけるという相反する作業をこなすことのできる「般化・分化」能力を身につけよう。
  • 第2条 どんな事柄も、一方、その相違点に着目し、他方、その共通点をえぐりだすという相反する見方をともに適用することのできる「差異化・同一化」能力を身につけよう。
  • 第3条 どんな複雑な事柄も安易に分類不能と断念せず、一方、その構成要素を分析・析出し、他方、それらの構成要素のあいだの相互関係をトータルに解明するという「分析・総合」能力を身につけよう。
  • 第4条 一方、当事者自身の視点と、他方、観察者ないし第三者の視点とを混同せず、この2つの視点を自在に切り替えることのできる「共感・離脱」能力を身につけよう。
  • 第5条 一方、あるがままの姿を認識することと、他方、そのあるべき姿を検討することとを混同せず、この両方の姿勢をともに採用して統合することのできる「実践」的能力を身につけよう。
  • 第6条 どんな事柄も、そのメリットとディメリット過不足なく押さえて総合的に判断することのできる「バランス感覚」を身につけよう。
  • 第7条 どんな事柄も、その直接の効果以外に、かならずその多方面にわたる波及効果に鋭敏であるという「システム論的思考」を身につけよう。
  • 第8条 どんな事柄も、自分の価値観と異なる価値観から評価したらどう見えるかに鋭敏であるという「価値自由」の能力を身につけよう。
  • 第9条 どんな事柄も、その「建前」の背後に、どのような「本音」が潜んでいるかを鋭敏に感知・察知することのできる人間観察力を身につけよう。
  • 第10条 知識や意見や価値観の「存在被拘束性」と社会科学者が名づけた事柄に鋭敏であるという「イデオロギー洞察」能力を身につけよう。
  • 第11条 一方、自明化された事柄を常に疑うことのできる「伝統破壊」能力と、他方、自由な発想に挑戦する「コンセプトづくり」の能力とを統合する「創造」志向を身につけよう。
  • 第12条 一方で、不断の読書、他方で、不断の人間観察・社会観察と不断の個人的・集合的な思考、という「机上型・脱机上型」の複合能力を身につけよう。
  • 第13条 以上の複眼的、多元的で柔軟な、そして徹底して合理的な情報処理能力にもかかわらず、適切なタイミングで決断することのできる「実存」的能力を身につけよう。